介護

「折り梅」という22年前の映画を観た。サラリーマンの夫とパート勤めの主婦、中学生の長女と小学生の長男4人家族に、姑が加わることにより家庭が壊れ再生していく話。夫は三男なのに義母を引き取ることになり、そう悪い関係性でもなかったので妻も快く賛成し5人での生活が始まる。が、ご多分に漏れず徐々に関係が悪化し、姑は認知症も発症して家庭内がギスギス。一生懸命関わろうとする妻、母のお世話は妻に任せきりの夫で、妻が愚痴を言うと「お前が引き取ろうと言った」と返す。観てて「はぁ、これじゃやってらんないわ」と私も思った。いよいよ限界がきて姑をグループホームに連れて行く途中、子供たちが小さい頃に5人で遊びに来たモンキーパークを見つけ姑が行ってみたいと言う。最後だからと入園していくことにした妻は、そこで初めて姑の生い立ちを聞き衝撃を受ける。5歳で母に捨てられ10歳で祖父から養子に出され、そこを出たいばかりに最初の見合い相手と結婚したと。4人の子供をもうけたが旦那は早々に他界。「私はね、誰の力も借りず夜の商売にも走らず生活保護も受けず、必死に働いて4人の子を育ててきたの」「お母さんは、待っても待っても帰ってこなかった」等々の話を聞き、自宅に引き返してしまう。妻の姑に対する暖かい眼差しに、夫も子供たちも段々変わっていき認知症の姑と上手に付き合いながら毎日を暮らす様で終わる。今現在のどこの家庭にでも起こり得る内容で、人間は変わらないなぁと感じた。それでも、この妻が姑に寄り添おうとしたところから劇的に変わっていく。娘に「お母さん、変わったね」の問いに「そお?先ず自分が変わらなきゃ何も変わらない事をおばあちゃんから教わったの」と答える。以前「北風と太陽」の話を書いたが、ここでもやはり太陽に軍配が上がる。観終わって、とても気持ちがほっこりした。ぜ~んぶ理解できるし、そうありたいと願っているのに「言うは易し行うは難し」なのだ。他人の立場になって言動を行うのは、本当に難しいし大変だ。それでも、相手に対する愛があれば出来るような気がする。問題は、相手が嫌いな場合。頑張れ、自分!【ベティ】

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