知らないこと

Eテレのバリバラという番組を観た。時々は視聴していたが、今回は第169回芥川賞を受賞した市川沙央さんが出演されるというので予約して視聴した。まだ受賞作は読んでないが、彼女が「紙の本を憎んでいた」ことが今回の執筆に繋がっているとのこと。彼女は先天性の病気で、本が重すぎて持てない・読書姿勢を保てない、のだそうだ。次に紹介された女性はALSを発症し紙の本が持てない捲れない。今では機器を使い電子書籍を読んでいるし、声も人工音声を使って会話することも何とか可能だが、簡単な意思疎通は瞬きと表情。首から上しか自力では動かせないという。3番目に紹介された女性は、弱視と難聴の方。私たちが日常に使っているPCなら4文字で画面が埋まってしまう大きさでも文字の画数が多いと判別しにくいと言う。大画面のPCと視覚障害者専用の音読アプリを併用して読書しているとの事。そして更に4番目に紹介された女性は、知的障害で本に読み辛さを感じる方。原作が漫画で、アニメ化されたものやドラマ化されたものの原作を読むのが楽しみと言う。一度ドラマ化されて観たものでないと、紙面を見ただけでは理解できないと話す。照れた表情を表す顔の斜線の意味や、一コマの中に二人以上の会話が入ると誰が話しているのか分からなくなると言う。私も比較的読書は好きな方だが、こんなお悩みがあること自体を知らなかったし思いを馳せようともしてこなかった。知らないとは、残酷で恐ろしい。私の実父もALSを発症して最終的に亡くなったのに、だ。ベストセラー作家さんの中には、絶対に電子書籍化を拒む方が居て、市川さんは読みたいが為に作家さんご本人と出版社にも手紙を書いてみたそうなのだが、スルーされたと話されていた。なので、「紙の本が憎い」となった訳で、読者が障害者だと思われていないことに怒りを感じると話す。2019年には読書バリアフリー法が成立していて、これは障害の有無に関わらず、すべての人が読書による文字・活字文化の恩恵を受けられるようにするための法律なのだそうだ。・・・知らなかった!「知らぬが仏」という諺もあるが、今回番組を観て「知らぬは罪」だと感じた。知らないこと、多すぎる。恥ずかしい。【ベティ】

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