障害児との学び

障害の有無にかかわらず全ての子どもが同じ教室で共に学ぶのを「インクルーシブ教育」というのだそうだ。共生社会を築く上で欠かせないものと国際的には考えられているが、日本では障害のある子どもと障害のない子どもは分けられているのが現状、との記事を読んだ。そんな中で「ともに学び、ともに育つ」環境を築いてきたのが大阪府。障害のある子どもが在籍するのが支援学級で障害のない子どもが在籍するのが原学級だが、共に原学級で学ばせる。大阪ではこれを「原学級保障」と呼んでいる。

豊中市立南桜塚小学校を訪れた際に女子児童が「なんで写真を撮ってんの?」と尋ねてきたので、校長先生が「翔ちゃんが皆と一緒にいるのが珍しい、って取材に来たんやで」と答えると、その女の子は怪訝そうに話した「どこが珍しいの?ずっと一緒にいるのに」と。「友達の翔太への接し方が自然で素敵。学校での様子が当たり前過ぎて、障害児とか健常児とかいうのを忘れてしまう」と親御さんは話す。この取り組みの源流は、1970年代に差別解消を目指す人権同和教育と障害者解放運動が出会って強く結びつき50年掛けて築いた結果だそう。インクルーシブ教育を国際的に明示した1994年より20年も前に芽生えていたそうだ。凄いぞ、大阪。それなのに、この素晴らしい取り組みが無くなる危機に今あると言う。2022年に文部科学省が「支援学級の子どもは、授業時数の半分以上を支援学級で学ぶこと」という通知を出したからだ。インクルーシブ教育推進のためとしているのに、いま現在通常学級で学んでいる障害児の席を奪いかねない仕組みになる。「?」何故。世界に先駆けてインクルーシブ教育を実践してきた稀有な存在の大阪府の教育方法を、いったん更地にして再構築しようするのだろう。こういった矛盾が日本には多い気がする。良いことは継続実践して他はそれを真似ればよいのに、制度が変わると一度すべて御破算にして新たに始めなければいけないのはどうしてだ?大阪府が推進する『原学級保障』が続くことを切に祈る!【ベティ】

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